5年先も10年先も、患者さまに寄り添い、
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2015.10.30  インプラント治療の責任(寝たきり・要介護の方へ)

いつも思うのは治療を行った患者様の将来の事。
自分が治療を施した患者様がいつまでも変わらずにご健康であるとは限りません。

患者様が全身的なご病気で長期間の入院生活を強いられてしまった場合や、介護が必要な状態になられたような場合に、ご家族や入院先の病院からの依頼で、インプラントや義歯のメインテナンスを行うために施設やご家庭を訪問させていただくことがあります。

もし、患者様がご自身で口の中の手入れを出来なくなってしまったら...。
ご家族の方でさえ患者様の口の中にどのような義歯が装着されているのかご存じない場合がほとんどです。

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義歯の汚れは天然の歯の比ではありません。体力が衰えて免疫力も低下した状態では義歯に付着した汚れが全身に悪影響を及ぼす危険性もあります。患者様がご自身でお手入れできないような状態の場合は、出来るだけ速やかに義歯を外して口の中を清潔にしてあげることが大切です。
入れ歯ならご家族の方でも何とか外すことはできるかもしれませんが、固定性のインプラント義歯やブリッジはまず不可能です。
特にインプラントの場合は、施術を行った担当医でなければ着脱のメカニズムが分からない場合があります。
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インプラント義歯がネジで止まっていればネジを緩めれば義歯は外れます。しかし、インプラントのシステムが分からなければ、まず使用するドライバーが分かりませんし、ネジへのアクセスの方法も不明です。ご家庭や他施設では設備も十分ではありませんから、もはや外すことはできないという事態になってしまいます。その場合、常に複雑な口腔管理をして頂かなければならないご家族や患者様の負担は著しく大きなものとなってしまいます。

インプラントは、あらゆる義歯の中で最も後戻りが困難な治療法です。さらに、医院によって施術法や材料の選択基準が異なるメーカー主導性の高い治療法です。ですからこそ施術した医師は、いつまでも自らの施術に責任を持たなければなりません。そして万が一に備えて、使用したインプラントシステムや上部構造の着脱法、連絡先などが明記された治療記録を患者様やご家族にお渡ししておく義務があります。

将来義歯を外せないことが患者様やご家族にどれほど大きな苦痛を与えるか.....、高齢化社会をむかえた今、長期的な管理法があらためて見直される必要があるのではないかと感じています。

*写真はすべて患者様の許可を得て掲載しています。

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