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2016.07.17  虫歯の痛み

虫歯の痛みは耐えがたいものです。

虫歯菌に歯質が侵されると、歯の中の神経に刺激が伝わりやすくなり、強い知覚過敏を感じるようになります。虫歯が原因の知覚過敏は、冷たい物だけでなく熱い物や甘い物の刺激に対しても痛みを感じるのが特徴です。虫歯が深く神経にまで虫歯菌が達すると、夜眠れないような強い痛みが続くようになります。神経や血管が入っている空洞の中で細菌が増殖し、炎症反応で内圧が高まるので激痛を起こすわけです。

虫歯は一見小さくても、中では広く深く進行している場合が多く、このような場合は、神経まで感染していなくても、虫歯に侵された歯質を除去した後、一度消炎鎮痛効果のある材料で仮詰めを行い、しばらく症状の変化を観察する必要があります。
 
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歯質が崩壊し、熱や酸などの外来刺激を繰り返し受けていた歯の内部の神経血管組織は、細菌に感染していなくても炎症を起こしている場合が多く、炎症の消退を確認せずに、歯を修復して治療を終了してしまうのは望ましくありません。仮詰め後1週間位は症状の観察を行い、痛みや知覚過敏等の症状が消失または軽減していることを確認して、それから最終的な材料で歯の修復処置を行います。
 
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臨床では、患者様が訴える痛みと疑われる虫歯との関連付けが難しい場合が良くあります。歯の痛みには、虫歯のような歯質の感染以外にも、ストレスによる歯ぎしりやくいしばり、歯の破折や歯周病、顎関節症や関連痛などさまざまな原因があり、これら多くの原因が複雑に絡み合って痛みを起こしている事が多いからです。このような場合は、過去にさかのぼって症状を細かく分析しながら、原因を特定していくことがとても大切です。治療も、まずは後戻りができる方法で疑われる要因を少しずつ取り除いてゆき、原因を特定していくという段階的な方法がとられます。例えば、虫歯で神経への感染も疑われるが、咬み合わせの要因も大きいので、神経をとってしまう前に、まず咬み合わせの調整を行って様子を見てみるとういう具合です。
 
削ってしまった歯や、除去した神経血管組織は二度と再生しません。
 
虫歯を疑って歯を削ったり神経をとって治療をしたりしたけれど、痛みがいまいち引かないなどということにならないためにも、応急処置後は結果を急がず、じっくりと症状を観察しながらより広い視点で治療を行うことが大切なのです。

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