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2016.02.03  即時インプラント

抜歯即時インプラント埋入法とは、その名の通り、歯を抜いてすぐにインプラントを埋める方法です。

歯を抜くと、歯を支えていた顎の骨は時間の経過とともに吸収して歯ぐきの位置が下がってしまいます。抜歯後の経過時間が長ければ長いほどインプラントを埋める位置が制限され審美的な回復が難しくなるので、骨の移植や造成が必要になってしまいます。しかし、歯を抜いてすぐにインプラントを埋めることができれば、骨や歯肉の位置は抜歯前の状態と同じに保たれているので、骨の移植や造成を行うことなく抜歯前と変わらない歯冠の形態回復が可能になります。

歯を抜いてすぐにインプラントを埋めることができる条件は局所的には2つあり、1つは根に病気がなく健全な歯であること(外傷により歯が折れたような場合)、もう1つは歯を支えていた唇・頬側(外側)の骨がある程度残っていて、舌側(内側)の骨との間に十分な幅があること(抜いた穴よりインプラントが小さいこと)です。根に病気がある場合は、インプラント埋入後に感染し炎症を起こす危険性があります。骨に十分な幅(奥行き)がないと、インプラントは埋めることができても、将来骨の吸収が進行し歯ぐきが下がってしまう原因になります。

以下は抜歯即時インプラントの一例です。

局所麻酔後に根が折れた右上の前歯を抜歯し、即時埋入用のインプラントを埋入します。従来法のインプラントでも埋めることは可能ですが、抜歯した穴が開いているところに埋めるので、インプラントがしっかりと固定できない可能性があります。インプラント埋入後の治癒は、より高い初期固定度で埋入された方が有利なので、通常は即時埋入用のインプラントが使用されます。また、前歯部では、インプラントの頸部にカラーがないインターナルコネクションタイプのインプラント体が埋入深度を設定しやすく、歯肉への圧迫も少ないので適しています。

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インプラント埋入直後の写真です。歯を抜いた穴の舌側(内側)よりにインプラントが埋まっていて、唇側(外側)には十分なスペースが確保されています。このスペースが、審美的な歯を装着するために極めて重要になります。スペースが時間の経過とともに骨で満たされるように、骨を誘導し骨に置換される人工骨でスペースを満たして手術は終了となります。手術時間は30分程度です。

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この後、同時に人工の歯まで装着できるかどうかは、インプラントの初期固定度と咬み合わせ等から総合的に判断されることになります。即時インプラント後の即日負荷に関しては別に記事にさせていただきます。写真は、抜歯即時インプラント後3ヶ月の口腔内写真とレントゲン写真です。インプラント周囲の歯ぐきの位置は術前の天然の歯があった時とほぼ同じ位置に保たれ、審美的に良好な回復が得られました。

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*写真はすべて患者様の許可を得て掲載しています。

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