2016.09.22 今求められる高精度で安全なインプラント埋入
10年位前までは、たった1本のインプラントを埋めるために10本近いドリルの選択使用が可能でした。
そしてもちろんドリルはすべて1回きりの使い捨て。
ところが最近は、3本のドリルだけで簡単に骨が切削でき素早くインプラントが埋められますとか、ドリルは5回まで使用に耐えられますとか、簡便さと低コストを追求したインプラントシステムばかりが目立ちます。
インプラントの表面性状が進歩してより骨と結合しやすくなった現在では、超精度なインプラントホールの形成は必要なくなったと言えるのかもしれません。
しかし、たった1本のインプラントを埋めるために10本ものドリルを使っていた時代の繊細なドリリング技術を今のシステムにも生かせば、現在のインプラントの成功率はもっと向上し、深刻な事故も減るだろうと思うのです。
「ドリルは滅菌すれば再使用しても大丈夫、5回まで使用に耐えられます。」と言われても、それでは5回目のドリルを、もし自分が患者であった場合に使用されたいかと問いたいです。
簡便さの追求は患者にとって何の利点もないのです。