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ご来院の患者様へ

当院では新型コロナウイルスによる院内感染を防ぎ、一人ひとりの患者様に安全に治療を受けていただくために、現在1日あたりの患者様の数を制限させていただいております。そのため、新規の予約や再来の予約がご希望の日時に取りにくい状況が続いております。また、WEB予約に関しましても予約後の変更をお願いする場合がございます。

受付での待ち時間を最小限にして、患者様同士の接触を可及的に減らすために、予約時間ちょうどのご来院をお願いいたします。また、急な予約や予約無しでのご来院の治療はすべてお断りさせていただいております。

ご来院時に検温と問診表の記載をお願いしていますが、体温や健康状態などから判断して初診、再診を問わず当日の診療をお断りさせていただく場合がございますので、患者様にはご理解をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

デンタルクリニック マ・メゾン 院長

新たにエアーフロークリーニングを導入しました。

エアーフロークリーニングとは、細かいパウダー状にした炭酸水素ナトリウム(体に優しい重層粒子)やグリシン(天然成分のアミノ酸)を、強力なジェット水流で歯に吹きつけて汚れを落とすクリーニング法です。茶渋やタバコの着色汚れを、水圧とパウダーの力でキレイにできる手軽さが最大の魅力です。ご興味のある方は、ご予約の際、もしくは、ご来院頂いた際に受付やスタッフ/ドクターにお声がけください。

5分でできる唾液検査を導入しました。

歯や歯ぐきの健康、口の中の清潔さに関する測定結果がチャートで表示されます。口腔内の状況が一目でわかるため、口臭が気になっている方にはおすすめです。この唾液検査システムでは、虫歯菌や口の中の酸性度、白血球やタンパク質、口臭のもととなるアンモニアなどの項目が検査でき、検査結果は既に科学的に確立された各種分析法と相関を示すことを実証済みです。ご興味のある方は、ぜひスタッフにお声がけ下さい。

機能的な歯ぐき

歯を失うと、歯を支えていた骨は徐々に吸収して顎の高さが減っていきます。ですから、

著しく吸収した顎の骨に埋められたインプラントに支えられる義歯は、失った歯だけでな

く吸収してしまった顎の骨(歯ぐき)も再現しなければなりません。

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人工の歯の並ぶ位置は、咬み合わせによって決定されるので、インプラントと人工歯との

位置的関係は明確です。インプラントと人工の歯の位置的関係が決まれば、それらをつな

ぐ歯ぐきの形態は容易に決定されると思われるかもしれませんが、歯ぐきの形態はそんな

単純に決定されるべきものではありません。

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歯ぐきの形態に過不足があると、頬や舌、唇の自然な動きが妨げられるので、食品を円滑

に人工の歯の上に運ぶことができなかったり、頬や舌を咬みやすくなったりします。また、

顔貌など外観にも大きな影響を及ぼします。歯の並ぶ位置が決まったら、仮歯などを用い

て歯ぐきの形態をチェックする必要があります。仮歯を試しに入れてみて、歯ぐきの自然

な立ち上がりはもちろん、頬や舌、唇の動きや顔貌との調和を確認します。頬や舌、唇の

動きは仮歯を用いて機能的な型どりを行い再現します(↓)。

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失われた歯ぐきが機能的に再現され、口腔組織と調和が得られていないと、たとえ理想的

な位置に人工の歯が並んでいても、円滑な咀嚼はできないでしょう。

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人工の歯とインプラントをつなぐ歯ぐきの部分は、ただピンク色をしていればいいという

訳ではありません。口腔組織と機能的に調和させる必要があります。人工の歯に対するイ

ンプラントの位置付けは、それらの間に介在する人工の歯ぐきの形態も考慮して決定され

る必要があるということです。

 

*写真はすべて患者様の許可を得て掲載しています。
 

 

 

 

即時インプラント

抜歯即時インプラント埋入法とは、その名の通り、歯を抜いてすぐにインプラントを埋める方法です。

歯を抜くと、歯を支えていた顎の骨は時間の経過とともに吸収して歯ぐきの位置が下がってしまいます。抜歯後の経過時間が長ければ長いほどインプラントを埋める位置が制限され審美的な回復が難しくなるので、骨の移植や造成が必要になってしまいます。しかし、歯を抜いてすぐにインプラントを埋めることができれば、骨や歯肉の位置は抜歯前の状態と同じに保たれているので、骨の移植や造成を行うことなく抜歯前と変わらない歯冠の形態回復が可能になります。

歯を抜いてすぐにインプラントを埋めることができる条件は局所的には2つあり、1つは根に病気がなく健全な歯であること(外傷により歯が折れたような場合)、もう1つは歯を支えていた唇・頬側(外側)の骨がある程度残っていて、舌側(内側)の骨との間に十分な幅があること(抜いた穴よりインプラントが小さいこと)です。根に病気がある場合は、インプラント埋入後に感染し炎症を起こす危険性があります。骨に十分な幅(奥行き)がないと、インプラントは埋めることができても、将来骨の吸収が進行し歯ぐきが下がってしまう原因になります。

以下は抜歯即時インプラントの一例です。

局所麻酔後に根が折れた右上の前歯を抜歯し、即時埋入用のインプラントを埋入します。従来法のインプラントでも埋めることは可能ですが、抜歯した穴が開いているところに埋めるので、インプラントがしっかりと固定できない可能性があります。インプラント埋入後の治癒は、より高い初期固定度で埋入された方が有利なので、通常は即時埋入用のインプラントが使用されます。また、前歯部では、インプラントの頸部にカラーがないインターナルコネクションタイプのインプラント体が埋入深度を設定しやすく、歯肉への圧迫も少ないので適しています。

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インプラント埋入直後の写真です。歯を抜いた穴の舌側(内側)よりにインプラントが埋まっていて、唇側(外側)には十分なスペースが確保されています。このスペースが、審美的な歯を装着するために極めて重要になります。スペースが時間の経過とともに骨で満たされるように、骨を誘導し骨に置換される人工骨でスペースを満たして手術は終了となります。手術時間は30分程度です。

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この後、同時に人工の歯まで装着できるかどうかは、インプラントの初期固定度と咬み合わせ等から総合的に判断されることになります。即時インプラント後の即日負荷に関しては別に記事にさせていただきます。写真は、抜歯即時インプラント後3ヶ月の口腔内写真とレントゲン写真です。インプラント周囲の歯ぐきの位置は術前の天然の歯があった時とほぼ同じ位置に保たれ、審美的に良好な回復が得られました。

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*写真はすべて患者様の許可を得て掲載しています。

インプラント治療の責任(寝たきり・要介護の方へ)

いつも思うのは治療を行った患者様の将来の事。
自分が治療を施した患者様がいつまでも変わらずにご健康であるとは限りません。

患者様が全身的なご病気で長期間の入院生活を強いられてしまった場合や、介護が必要な状態になられたような場合に、ご家族や入院先の病院からの依頼で、インプラントや義歯のメインテナンスを行うために施設やご家庭を訪問させていただくことがあります。

もし、患者様がご自身で口の中の手入れを出来なくなってしまったら...。
ご家族の方でさえ患者様の口の中にどのような義歯が装着されているのかご存じない場合がほとんどです。

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義歯の汚れは天然の歯の比ではありません。体力が衰えて免疫力も低下した状態では義歯に付着した汚れが全身に悪影響を及ぼす危険性もあります。患者様がご自身でお手入れできないような状態の場合は、出来るだけ速やかに義歯を外して口の中を清潔にしてあげることが大切です。
入れ歯ならご家族の方でも何とか外すことはできるかもしれませんが、固定性のインプラント義歯やブリッジはまず不可能です。
特にインプラントの場合は、施術を行った担当医でなければ着脱のメカニズムが分からない場合があります。
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インプラント義歯がネジで止まっていればネジを緩めれば義歯は外れます。しかし、インプラントのシステムが分からなければ、まず使用するドライバーが分かりませんし、ネジへのアクセスの方法も不明です。ご家庭や他施設では設備も十分ではありませんから、もはや外すことはできないという事態になってしまいます。その場合、常に複雑な口腔管理をして頂かなければならないご家族や患者様の負担は著しく大きなものとなってしまいます。

インプラントは、あらゆる義歯の中で最も後戻りが困難な治療法です。さらに、医院によって施術法や材料の選択基準が異なるメーカー主導性の高い治療法です。ですからこそ施術した医師は、いつまでも自らの施術に責任を持たなければなりません。そして万が一に備えて、使用したインプラントシステムや上部構造の着脱法、連絡先などが明記された治療記録を患者様やご家族にお渡ししておく義務があります。

将来義歯を外せないことが患者様やご家族にどれほど大きな苦痛を与えるか.....、高齢化社会をむかえた今、長期的な管理法があらためて見直される必要があるのではないかと感じています。

*写真はすべて患者様の許可を得て掲載しています。

ホワイトニングで真っ白にはなりません。

歯のホワイトニングを行うと、「歯が真っ白になってしまって、不自然になるのでは?」とお考えの方が多いのですが、歯のホワイトニングを行っても、歯は真っ白にはなりません。もともと天然の歯は、一様な白色ではなく、透明なところや色の濃いところが複雑に重なり合ってできています。
歯のホワイトニングは、この透明なところや濃いところ(色の濃淡)の違いはそのままに、歯の明るさだけをアップさせる方法です。下は、左がホワイトニング前、右がホワイトニング後の写真ですが、ホワイトニング後も本来の歯の色の濃淡(質感)がしっかり残っていることがお分かり頂けると思います。

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黄色くくすんだ暗い色の歯よりも、みずみずしくて明るい色の歯の方が質感が高く自然に見えるものです。美しい歯の条件はより自然であること。ホワイトニングで、自然感が損なわれることはありません。むしろ自然な天然の歯の美しさが得られる方法としてお薦めします。
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*写真は患者様の承諾を得て掲載しています。

くびれが大事 -奥歯のインプラント

健常に治癒したインプラント周囲の歯肉には、V字形のくびれができます。

奥歯のインプラントの写真

歯肉の厚みや隣の歯との間隔、幅を考慮して、インプラントの支台(アバットメント)を調製し、最終的に理想的なくびれを導きます。
奥歯のインプラントの写真

奥歯のインプラントの写真

奥歯のインプラントの写真

くびれができるのは、インプラント周囲の歯肉があごの骨としっかりとくっついているからです。
奥歯のインプラントの写真

奥歯のインプラントの写真

くびれがないと、自然な歯の立ち上がりが得られず見た目の問題が生じるだけでなく、歯肉の中に汚れがとても入りやすくなって、インプラント周囲炎の原因にもなるので注意が必要です。

*写真は患者様の承諾を得て掲載しています。

前歯のインプラント

インプラントの長さや直径には、様々なサイズがありますが、水平的な断面はどれも正円形です。一方、天然の歯の根は、いずれの部位も正円形ではありません。特に歯ぐきに近い部分の天然の歯根の断面は、長円形(楕円形)に近い形をしています。ですから、インプラントで人工の歯を製作する場合は、正円形の断面から長円形へと移行させながら形態を調製しなければなりません。
そこで重要なのは、インプラントの頸部のサイズと位置です。インプラント頸部のサイズが細くて、埋っている位置が内側で深いほど、形態付与の自由度が高まります。

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前歯部など審美的な配慮が重要視される部位ではこの配慮が特に重要です。正円から長円へ移行するための自由度が少ない場合は、歯の立ち上げりが不自然で、歯ぐきも退縮して(下がって)しまう場合が多いので注意が必要です。以前は、このような細くて深く埋められるインプラントシステムは、アバットメント(支台)との連結強度不足や、同じ位置への復位のしにくさ等の問題があり、技工作業が困難極まりましたが、最近はそれらの問題もほぼ解決され、非常に高い精度で審美的なインプラントの人工歯を製作することが可能となっています。

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現在のインプラントの潮流は、審美領域においては、「頸が細くて深く埋められるインプラントシステム」であるといえます。

*写真は患者様の承諾を得て掲載しています。

前歯のインプラントを成功に導く理想のくびれ

インプラントの断面は正円形ですが実際の歯の根の断面は正円形ではありません。正円の根から立ち上がる歯は形が不自然で歯ぐきとも調和しません。インプラントの断面の形は変えることはできませんが、インプラントと歯の接合部分は将来の歯の形に調和するように変えてあげなければなりません。そしてそれに合わせて歯ぐきの形も修正する必要があるのです。

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その役割を担うのがインプラントの仮歯。

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インプラントに仮歯を装着して歯ぐきの中の部分の形を少しずつ変えながら、歯ぐきを理想的な位置に導いていきます。
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数週間して隣の歯との隙間が歯ぐきで満たされて位置が安定したら、
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その歯ぐきの形にフィットしたカスタムメイドのアバットメントとセラミックの歯を製作して装着します。
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歯ぐきに調和した自然な立ち上がりの歯が得られました。
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歯ぐきから歯が立ちあがる部分は細すぎても太すぎてもダメ、繊細な仮歯の修正が歯と根の間に理想的なくびれを導きます。

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*写真は患者様の承諾を得て掲載しています。

前歯のインプラント vs ブリッジどちらが良い?

前歯をブリッジにすると残っている健康な前歯まで削らなくてはいけないので、治療方法を迷っている方は多いのではないでしょうか。実は、健康な前歯を削らずに治療する方法もあるので、削ってしまう前に一度、しっかりと相談にのってもらえる歯医者さんに相談に行くべきだと思います。前歯の治療で気を付けるべき3つのポイントを紹介しますので、是非、参考にしてみてください。

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●歯を削らない
ブリッジは健康な歯を削る必要があります。その歯がもともと虫歯治療をしてある歯ならいいのですが、一度も削られていないきれいな歯の場合は削ってしまうのは、絶対にもったいないです。可能な限り健康な歯を削らなくて済む治療方法を検討すべきです。

●治療を開始しない
歯が無くなって長い時間が経つと骨の厚みや歯茎の厚みが失われてしまい、その後の治療が難しくなってしまいます。特に前歯は早く骨が失われやすい部位です。ですので、もし前歯治療に迷われている場合は安易に歯医者さんの進めに従って歯を抜いたり削ったりせず、まずは納得のいくまで自分の前歯の治療方法について相談すべきです。あごの骨の状態やブリッジにした場合に土台となる隣の歯の状態も慎重に見極める必要があります。

●ベテランの歯医者さんに相談する
前歯の治療はインプラント治療を熟知している歯医者さんに相談すると良いと思います。なぜなら、前歯のインプラントは非常に難しいので、歯医者さんの治療の力量に応じて、勧められる治療の選択肢が変わってしまうからです(簡単に言うと、インプラント治療に自信のない歯医者さんは、最初からブリッジを強くおすすめになると思います)。

やはり、最初からブリッジやインプラントなどの治療方法ありきではなく、「自分の今の状態にベストな治療方法とは何か?」という目線で慎重に検査や診断を受け、ブリッジもインプラントのどちらの治療方法もしっかりと説明を受けた上で、慎重に判断すべきです。ですので、少々遠くても、しっかりと相談にのってくれる歯医者さんに行くことが自分の健康な前歯を守ることにつながります。ぜひ最寄りの信頼できる歯医者さんに行き、健康な歯を削らないことを第一に考えてみて下さい。

デンタルクリニック マ・メゾン
院長 荒瀧 友彦